公園では夕方、近所のおばあさん達が集まりひとしきりお喋りに興じる。散歩に来る人たちとも顔なじみだ。Allieも毎日ご挨拶に寄る。
「えらい立派なヒゲのある犬やなあ」「何と言う名前や?」
「Allieです?」
「え、何?」
「Allieです」
「オンかメンか?」
「女の子です」
「名前は?」
「Allieです」
「何やて?蟻か?」「オンかメンか分からん名前やなあ」「メンやから、蟻子や」「そうやそうや」
かくして、Allieはおばあさん達から「蟻子」と呼ばれることになった。
なんと呼ばれようと気にしないAllieは、今日も愛想を振りまきに行く。