試行錯誤

毛糸を編むのはまるで無から有を生み出すような作業だ。編み進むことで初めて実体が生じる。だから時間がかかる。それに比べて生地を切り、縫うという作業は、初めから存在する物体に変化を加えるもので、時間は掛からない、楽勝だ、と思っていた。

ところがそうではなかった。生地を切り、縫って、予定通りに仕上がらなければ、それでおしまい。もうどうしようもない。特に小さく仕上がった場合は。毛糸だと解いてまた編み直せば、新しいものができるのに。それに、毛糸だと伸びるので、少々サイズが変でもなんとなく体にフィットしてくれる。

生地は一旦ハサミを入れるとやり直しができない。だから用意周到にやらなければ、使い物にならないものが出来てしまう。毛糸ばっかり編んでいたので、このことに気がつかなかった。

最初の生地はジャージーで、伸縮性があったので、なんとかものになった。beginner's luckというやつ。調子に乗って、伸縮性のないサマーウールでやったら、失敗の連続。

左から第1号、第2号、第3号。一応型紙を作ったのに、全然正確ではなかった。
試行錯誤_e0009283_1113662.jpg


第1号は小さ過ぎて、体が入らない。
第2号は一回り大きくした積りなのに、まだ窮屈。仮縫いの段階でそれは分かっていた。だから、首の後ろに切り込みを入れて着易くし、袖ぐりも大きくとったのに、まだ十分ではない。
第3号は思いっきり大きく裁断し、首の切り込みも余裕を持ってやった。そうすると、仮縫い段階で首周りがブカブカになった。首の前にタックをとって、首回り寸法の調整をするとともに、胸の張りもカバーできるようになった。これこそぴったりの成功作だと思うが、まだAllieには着せていない。

そうでなくても服を着るのを嫌がるのだが、サイズの合わない窮屈な服ばっかり着せられるので、服を手にする気配(まだ手に持っていないのに)を察すると、ケージに入ってしまい、いくら呼んでも出てこない。(訓練は肝心の時には役に立たない。)

第2号まではおやつで釣るといそいそと出てきていた。第3号の仮縫いの時は、おやつをケージの中にいるAllieの鼻先に持って行ってやっと出てきた。その後はダメ。ケージは安全な場所という意識を持たせたいので、無理に引きずり出すことはできない。だから、多分完璧に仕上がったと思える第3号はまだ着せられない。Allieが籠城をとく前に、第4号に取り掛かったほうがいいかも知れない。
by babeha | 2008-04-06 01:31 | 飼い主
<< Dog School Repo... 前の公園では >>